TOKYO FESお疲れ様でした!新刊の装丁(主に本文用紙)について語らせてください
13日のTOKYO FES、及びTWINKLE MIRAGEに参加された皆様、本当にお疲れ様でした!
サークル側で参加して、たくさんの方とお話しできてものすごく楽しかったです。
さて、ここからは新刊『僕らはひとつに実る』についていろいろ語らせてください。
別冊ノベルティのあとがき部分にもいろいろ書いてはいるのですが、ここでは装丁だったり作成スケジュールだったり、そういうのを書いていきます。
新刊の装丁について。やりたいこと全部乗せでした
本誌『僕らはひとつに実る』の装丁
改めまして、今回頒布した新刊がこちら。

印刷はプリントオン様です。この本を作るぞ!と決めたときから、ずーっとプリントオン様の「新書本セット」にすると決めていました。
カバー、カラー口絵、ホログラムPP、RGB印刷と、印刷所様がやりたいことを全部叶えてくれました。
ドラクエ3の勇者って、青に紫に黄色にと全身くすみやすい色のオンパレードなので、どうしてもRGB印刷が良かったんです。自分での調整は自信がないので。
大満足の仕上がりでした。プリントオン様、本当にありがとうございました!
各種仕様はこんな感じ。
- サイズ:H175mm×W105mm(新書)
- 表紙:コートカード紙180kg
- カバー:コート紙135kg(ホログラムPPレインボー)
- 本文用紙:コミック紙クリーム
- ページ数:総196ページ(本文186ページ)
- フォント:源瑛ちくご明朝8.5pt
- 文字数と行数:43文字×15行
- 余白:天地・ノド20mm、小口10mm
- 印刷:プリントオン様
余白や文字数・行数等は、バイブルとして崇拝している『小説ドラゴンクエスト7』にできる限り近づけています。
新書サイズで刷ったのもこれが理由。
実際に比べてみると、小説ドラゴンクエスト7はもう少し横幅がありましたが……。四六判と呼ばれるものなのかな?
表紙とカバーは、こだわりすぎて読みにくくなっても良くないかなと思ったので、いちばん標準っぽいものを選択。
このあたりは不慣れなので、デフォルトのままがいちばん失敗しにくいと思って。
カバーにはホログラムPPのレインボーをかけてもらったのですが、すごく綺麗……!!
表紙のイメージに合わせて選んだので、ひとつに実った弊パーティたちを包み込む光……みたいな雰囲気でめちゃくちゃ尊いです。尊尊尊。
表紙やカバーの用紙があっさり決まった反面、入稿ギリギリまで迷っていたのが本文用紙でした。
初めは淡クリームキンマリにする予定だったのですが、手持ちの同人誌を触ってみて「あれ、キンマリってわりと硬い?」と思いまして。
それとキンマリってツルツルしてるので、ラノベとか小説版ドラゴンクエストの、若干パサついた紙に慣れていた私の好みに合わなくてですね……。
読み続けると指の水分が吸われていくあの感じが好きなんだ。
プリントオン様の場合、クリーム色の紙はキンマリかコミック紙クリームの二択なので、それならばコミック紙クリームに……と思ったものの。
そうすると背幅が4mm増えて計14mmになってしまう。
さすがに200ページ弱で14mmは分厚すぎん!? と驚いて、他に好みの紙を扱っている印刷所がないかあちこち調べまくりました。
が、私のやりたい装丁を全部叶えてくれるのは、やっぱりプリントオン様でして……。
紙見本を取り寄せて実際に触ったり、手持ちの小説や同人誌の紙を触ったりしてあれこれ比べて、悩みに悩んで、最終的にコミック紙クリームにしました。
実物を触ると若干分厚い気もしますが、開きにくさは感じないですし、程よくパサついてて捲りやすいです。
紙が厚い分、パラパラ〜っとページが捲れすぎちゃうこともないですし。
ただやっぱり、実物を触るまではものすごく不安でした……。
直接搬入にしていたので、会場について箱を開けるまでは仕上がりが分かりません。
それから、小説同人誌にコミック紙を使ったという方をあまり見かけなかったので。
コミック紙にしようと決断したのは、以下の記事を拝見したのもきっかけのひとつでした。
淡クリームキンマリだけじゃない! 小説同人誌の紙の話(アカツキユウ様運営「ALBA LUNA」より)
入稿後、8月30日のVEGAにアカツキユウ様がサークル参加をしていらっしゃったので、直接お礼を言ってきました。アカツキユウ様、お話してくださってありがとうございました。
入稿してからも、「どんな仕上がりになるんだろう、読みにくかったらどうしよう」と不安は募るばかり。
そんなときはこの記事を読み返し、「大丈夫、自分の選択を信じろ!」と勇気づけられていました。
信じて正解。透け感もほとんどないし、何よりも文字がテカらない!!


コミック紙……というか嵩高紙、すごくいい。すっかり推しになっちゃいました。
これからは漫画でも嵩高紙を使おうかな。
「ふわっ」というか、「もふっ」というか、そんな手触りが気に入りました。
ちなみに完成品を見て一箇所だけ気になったのは、カバーがちょっとゆるいかな〜というところ。

カバーつきの冊子ってどこもこんな感じなのか、私が背表紙の計算を間違えたのか……。
広げるとパカパカしちゃうので、ブックカバーをかけるか、カバー外しちゃってもいいかも。頑張って描いたので、ちょっぴり寂しいけれど……。
もしくは背表紙に合わせて折り目をつけてみるとか?
別冊ノベルティについて。装丁とかいろいろ
会場にて本誌をお迎えくださった方に、こちらの冊子をノベルティとしてお渡ししました。( BOOTHでお迎えいただく場合も同梱します)

こちらの装丁はこんな感じ。本誌の設定を流用して出力しているので、フォントや行数、文字数、サイズ、余白は変わらないです。
- サイズ:H175mm×W105mm(新書)
- 表紙:アートポスト紙200kg(クリアPP)
- 本文用紙:ラフクリーム琥珀71.5kg
- フォント:源瑛ちくご明朝8.5pt
- 文字数と行数:43文字×15行
- 余白:天地・ノド20mm、小口10mm
- ページ数:総64ページ(本文60ページ)
- 印刷:ちょ古っ都製本工房様
ラフクリームも嵩高紙です。触った感じ、コミック紙と似ている気がしますが、ラフクリームのほうが若干ゴワゴワ感が強めかも。

カバーがない分、本誌よりも表紙は厚めですが、たぶんこれが標準的な厚さなのかな?
スピンオフ小説とあとがきを別冊ノベルティに収録したのですが、これらを本誌に入れなかったのはふたつ理由がありまして。
ひとつめは、本誌の余韻を壊さないため。
最後のページにはゲスト様の素敵な小説が載っているので、そこできっちり終わらせることで、余韻に浸りたいという願望があったからです。
本誌はアルスくんたちの冒険だけにしたかった。
それと、最近は長いあとがきが好まれない傾向にあるそうなんです。作者はなるべく自我を出さないほうが良い、という流れというか。
おそらく、近況報告系のペーパーを作るサークルさんが少なくなっているのもそういう理由かなと。
私は15年ほど前から同人誌に触れているため、昔ながらの長いあとがきや作者様の近況報告が大好きです。
が、読みたくない人は読まなくても良いようにしよう、と思い、別冊に分けました。
ただでさえ、あとがきだけで30ページになってしまったので……。別冊に収録した小説よりもページ数が多いです。半分以上があとがき。
別冊の方でも、あとがきページが始まる前に注意書きをしてあります。
時代ごとの流行や傾向に逆らって、私が勝手に入れているものなので、無理に読む必要はないかなと思います。肌に合う人だけ読んでいただければ幸いです。
ふたつめは、ページ数が増えることによる金銭的負担の問題。
「書きたいものを書きたいだけ書く!」のつもりで書いてはいたのですが、さすがにこれ以上ページ数を増やすと、大幅な予算オーバーになってしまうので……。
それでも、書きたいものを諦めたくはない。
というわけで、別冊ノベルティとしてお渡しすることにしました。
印刷はちょ古っ都様にお願いしたのですが、めちゃくちゃリーズナブルでびっくりしました。
入稿データはPDFのみということだったので、変換やサイズ合わせなどに苦戦してしまいました。お恥ずかしい……。
が、とても綺麗に刷っていただけて大満足。また使わせていただこうと思います。
同人誌製作スケジュール
漫画・小説問わず、原稿期間はスプレッドシートでスケジュール管理をしているのですが、それによると執筆スタートが5月10日。
スパコミが終わってすぐですね。
小説部分を書き終わったのが7月25日。そこから一週間はひたすら校正してました。
校正は電子で2回、そこからは「製本直送.com」様で刷ってもらった校正誌で1回。
それ以外にも、各作品が仕上がるたびに1回ずつ誤字チェックや表現の調整をしているので、校正は合計4回しました。
校正誌については次の項目で。
装丁モリモリだったこともあって印刷所の締切が早めだったので、7月のうちに執筆が終えられてよかったなぁと思います。
締切が8月末だったので、8月は校正とイラストの製作に費やしていました。
それでも結構ギリギリだったんですよ……。早割を使ったとはいえ、締切前日に入稿でした。絵も文も筆が遅いので。
校正誌は絶対刷ったほうがいい
先述した通り、製本直送.com様で校正用に1冊刷っていただいたのですが、実際に届いた本がこちら。

- サイズ:H175mm×W105mm(新書)
- 表紙:柔らかめ(詳細不明、PPなし)
- 本文用紙:書籍用紙クリーム色66.5kg
- フォント:源瑛ちくご明朝8.5pt
- 文字数と行数:43文字×15行
- 余白:天地・ノド20mm、小口10mm
- 印刷:製本直送.com様
当時は表紙絵のラフすらなかったので、サイト内の機能を使って超シンプルな表紙を作成しました。
製本直送.com様の書籍用紙、めちゃくちゃ好みでした。「本誌もこれで刷りたい!」と思うほどに。
コミック紙よりも薄く、ラフ感があって捲りやすい。商業の本で実際に使われていそうだなと思いました。
今後も校正誌の印刷はここにお願いしようと思います。びっくりするほど安いので。
誤字や表記揺れ、別の表現にしたいなと思う部分があったら赤ペンで書き込み、そのページの端を折ります。
こうすることで校正した部分がわかりやすくなります。ネットで得た叡智です……。
最終的に折った部分がこんな感じ。

ほとんどのページに折り目がついている……。
何度も読み返したはずなのに、これだけ直す部分がありました。
「〜をを」「〜にに」になっていたり、「微睡み」のルビが「まどらみ」になっていたり、「臨戦態勢」が「臨戦体制」になっていたりと、「どうしてこうなった?」の連続。
試し刷りして校正するの、めちゃくちゃいいですよ。全ての字書きさんにお勧めしたい。
本が届くまでに一週間ほど間が空くのと、電子から紙へと媒体が変わることでミスに気づきやすくなります。
それと、PDFだけではわからなかった余白のこととか、実際に本の形として見られるので。
PDFの作成には縦式を使いました
執筆には、スマホでもiPad+キーボードでも書けるように、Google Keepを使用しています。
再録作品を執筆した当時はスマホがAndroidで、標準のメモアプリがGoogle Keepだったので、そのまま使い続けています。
創作のメモがたくさん入っているので、それをiPhoneに引き継ぐ意味でも。
背景色を変えられるのでおすすめですよ。私はずっと「サンド」にしてました。
こうすると、画面が真っ白じゃないので目が痛くなりません。
メモアプリで完成させた原稿は、iPadにインストールしてある「縦式」というアプリに流し込み、PDFとして出力します。
小説同人誌を作るのが初めてだったので、縦書きの形をどうやって整えたらいいかがまったくわからず、ネットで調べて巡り会ったのがこれ。
文頭を自動で1字下げてくれたり、《》でルビがふれたり、四隅の余白をそれぞれ自由に設定できたり、見出しを左上につけてくれたりと、とにかくなんでもできます。
欠点を強いて言うなら、横書きはあまり向いてないことくらい。
奥付はTwitterのIDなどを書く関係上、横書きであったほうが都合がいいのですが、こればかりは縦書き特化のアプリなので仕方ないかなと。
扉や目次、奥付などは、アイビスペイントで画像データとして作成しました。
そのため少々不安だったのですが、実物を見たら綺麗に印刷してくださっていたので安心しました。ありがとう600dpi……。
実物を読んで思ったこと
イベントを終えて、自宅でじっくり本を読み返してみました。
友人たちの小説同人誌がすべて文庫サイズなので、それに比べるとずっしりと存在感があって重い感じがしますが、新書サイズの本ってこんなもんだよな〜と。
小説ドラクエ7も、手の中での存在感すごかったし。
両手でしっかり持って、本と向き合うあの感じがすごく好きです。ベッドでゴロゴロしながらとかだと読みにくいかもしれないけれど。
小説ドラゴンクエスト7を学校で繰り返し読んでいた、中高生の頃を思い出すようで。あの読了感を何度でも味わいたくて、冗談抜きに何周したかわからないくらい読みました。
それと冒頭でもお話ししましたが、やっぱりホログラムPPが綺麗。
隙あらば傾けて、キラキラを堪能しています。
当日、私の本をお迎えしてくれた友人が「わあ綺麗」って言ってくれて嬉しかったです。
新刊の製作にあたり、いろいろな気づきがありました
『僕らはひとつに実る』は、本文も表紙も口絵も全部自分で執筆した、こだわりの一冊。
こうして無事に発行できて、いろんな方に手に取っていただけて、本当に良かった。
本文用紙がここまで重要になるなんて、小説同人誌を作ろうと思わなければ知らなかったと思います。
今後は漫画・小説問わず、なるべく色のついた紙を使おうかなぁと。クリーム色の嵩高紙が安牌かな。
新刊に込めたドラクエ3への(重すぎる)愛が、少しでも皆様に伝わっていればいいなぁと思います。
この作品に出会えて良かったし、物心がついた頃から一緒に育ってこられて良かった。
新刊はBOOTHで頒布しています
今回の記事でご紹介した新刊『僕らはひとつに実る』は、 BOOTHにて頒布しております。
気になった方はよかったら↓














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